基礎知識3



ヘブライ文字について1

 西洋の神秘伝統においては、聖書がとても重要なものとして扱われていた。聖書は公式には2つの部分に 分かれる。一つは「旧約聖書」。もう一つは「新約聖書」である。これに対して世の中には、外典、偽典と いった聖書の存在もあるが、煩雑になるし、後に学習するので、ここでは、それについての説明は割愛する。 現在、旧約の方はユダヤ教の、新約聖書はキリスト教の聖典として扱われている。しかし本来、旧約・新約 という呼び名はキリスト教が定義づけた分け方であるという事を注意して欲しい。ユダヤ教にとっては、旧約 のみがその教えの聖典である。 反対にキリスト教にとっては、旧約はその名のとおり、古い神との契約の教えの書であり、それを新しく 補って完全なものにしたのが、新約聖書であるという考えを持っている。ただし、この考えは教派によって は違うことがあるので注意する事。ここで学徒に特に注意しておいてもらいたい事を述べておく。学徒は、 このページの説明にあるからといって、それが絶対唯一正しい知識だとは思い込まずに、同じもの をあらわすにも世の中には様々な考え方や方法があるという事を知っておいてほしい。これは西欧の伝統に 限らず、世界の様々な事にも共通して言えることである。この事が理解されないために、世界では様々な争い や悲劇が起こっている。学徒にはこういった過ちを繰り返さないように願う。 そして慎重にその学習を進めていくように気をつけて欲しい。話を元に戻そう。キリスト教もユダヤ教も、 西洋の神秘伝統に多大な影響を及ぼした宗教であり、その中心となる聖書の存在というものを無視しては 西欧の伝統は理解できない。後になって、より詳しく学ぶことになるが、西欧の神秘伝統では、その聖書の うちの旧約を重視する傾向にある。そして、その旧約を主に記していた、ヘブライ語という言語は特に 神聖なるものとして考えられるようになった。そのヘブライ文字は、言語とはまた別にその文字自体が 意識の力の象徴としても扱われる。日本の密教で言う梵字を思い浮かべてみて欲しい。 下がそのヘブライ文字の形と呼び方などである。これらの記憶は必須事項であり、学徒はその形と文字の 対応、意味などをよく記憶していく事になる。実際にヘブライ文字を用いて、ヘブライ語の単語や文章を書き 記す時は、文字は日本語と逆に右から左に向かって記すようになっている。ただし、ヘブライ語を扱うと 聞くと、ヘブライ語を語学として学習までも行なわないといけないと思ってしまう学徒もいるかもしれない が、西欧の伝統では、ヘブライ文字は意識の力の象徴としての扱いが主体なので、ヘブライ語 を語学として学習する事までは要求していない。もちろん、学徒は余裕があれば、そういった事も学習して おくのも、補助的な学習として良いだろう。この段階の学習では、22のヘブライ文字の名称と等価文字を 記憶しておく事。



名称 アレフ(等価文字はA。以下共通)

ベト(B)

ギメル(G)

ダレス(D)

ヘー(H)

ヴァウ(V)

ザイン(Z)

ケト(Ch)

テト(T)

ヨド(I、又はY)

カフ(K)

ラメド(L)

メム(M)

ナン(N)

サメク(S)

アイン(O)

ペー(P又はPh)

ツァダイ(Tz)

コフ(Q)

レシュ(R)

シン(Sh)

タウ(Th)





ヘブライ文字について2

日本にある象形文字がそうであるように、ヘブライ文字も、本来、古代の人の生活に関わる、様々な ものを象って生まれた文字だった。そのため、文字の一つ一つに象形的な意味が含まれている。 また、ヘブライ語は数字を示す特別な文字をもたないので、ヘブライ文字のアルファベット自体が 数をあらわす事になっている。ここで、ヘブライ文字の意味と数価、そして書き順を記しておく。 書き順は下の図の左から右に向かって示してある。ただ、ここに示す書き方は西欧の伝統においては あまり重視しないので、参考程度に知っておいてほしい。意味と数価はよく記憶しておくこと。 また、ヘブライ文字は実際に文章を書くときには単語の末尾に来た時に形や数が変わる文字がある。 それを末尾形の文字というが、それも一緒に下に記すので記憶しておいてほしい。




アレフ(意味は雄牛、数価は1、以下共通)


ベト(家、2)


ギメル(駱駝、3)


ダレス(扉、4)


ヘー(窓、5)


ヴァウ(留め針・鉤爪、6)


ザイン(剣、7)


ケト(囲い、8)


テト(蛇、9)


ヨド(閉じた手、10)


末尾形
カフ(開いた手、20・末尾形は500)


ラメド(牛突き棒、30)


末尾形
メム(水、40・末尾形は600)


末尾形
ナン(魚、50・末尾形は700)


サメク(支柱、60)


アイン(眼、70)


末尾形
ペー(口、80・末尾形は800)


末尾形
ツァダイ(釣り針、90・末尾形は900)


コフ(後頭部、100)


レシュ(頭、200)


シン(歯、300)


タウ(T十字あるいは十字、400)





記憶事項

1 22のヘブライ文字を書けるか?
2 22のヘブライ文字の意味を言えるか?



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